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Chaotic Neutral

左にも右にもよらず、自由な生き方探し。

投下労働価値説のS&B、試案と序論


(S&BはScratch and Buildの略で、これまで構築してきたものをいったん破棄して、最初から作り直すことです。)

まずは用語を定義することから始めます。

「価値」 … 財の効用の大きさ。

「価格」 … 公平な市場での取引を介し、財の価値を通貨で相対的に表したもの。

「事業サイクル」 … 事業の1回の回転のことである。多くの場合、現金の受け取りと分配を含む。事業サイクルを完了させなければ、事業は継続成長できない。

「労働力」 … 事業サイクルへの参加する人の労働能力の諸要素の総和。資本家が労働者から買う労働力は、資本家にとって人件費として量化され、労働者にとっては報酬として量化されうる。また、資本家自身も事業計画や事業経営という形で労働力に加わり、事業サイクルに参加している。

「労働」 … 価値の創造に投下されたもの。1つの事業サイクル全体に投下された労働は、事業サイクルの終点での産物の価値から、事業サイクルの始点での資源の価値を差し引いたものに一致する。生産量が2倍になっても、創造された価値が生産量に比例して増えなければ、投下された労働も生産量に比例しない。需要に対する生産の過剰分は価値の創造にはならず、よって、労働にもならない。

「利益」 … 事業サイクルから人が受け取る価値。ドイツ語では「Verdienst」、英語では「profit」

「利潤」 … 事業サイクルから人が受け取る価値から、事業サイクルに人が投じたその人自身の労働を差し引いたもの。ドイツ語では「Gewinn」、英語では「gain」。

「搾取」 … ある人が事業サイクルで創造した価値よりも、その人が事業サイクルから受け取る価値が小さい場合、その人は搾取されている。逆であれば、その人は誰かを搾取している。


労働単位をuで表すとします。

平均的な労働者が家庭で4uの価値を生み出すことができ、工場で働けば10uの価値を生み出して8u相当の報酬を通貨で受け取ることができるとします。

資本家の労働分が20uであるとしましょう。

資本家が100人の労働者を雇うと、労働者から受け取る利潤は+200uになり、自らの労働投下分で差し出す利潤は20です。よって、資本家にとってのサイクル終端での最終利潤は
200u − 20u = +180u
になります。

労働者は工場で働くことで、利益を4uから8uに増します。しかし、10uの価値を叩き出すのに8uの報酬しかもらえていないのですから、自らの労働について利潤は−2uになります。ただし、資本家から20の1/100にあたる+0.2uの利潤もありますから、最終利潤は−1.8uのということになります。

資本家の利潤と労働者の利潤を足してみましょう。

180 + ((−1.8) × 100) = 0

利潤は全体でゼロサムになります。事業サイクルへの参加者全員の利潤が0を超えることはありません。


資本家は労働者を超える速度で富を蓄積しますが、労働投下効率の向上による事業の成長速度が十分に大きい場合、労働者は搾取されつつも富を蓄積して豊かになっていきます。しかし、労働者はほぼ常に搾取されているので、資本家と労働者の格差は広がっていくばかりであり、どこかで政体が何らかの調整をしなければ、経済は広がりすぎた格差により破綻に向かうことになります。

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