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Chaotic Neutral

左にも右にもよらず、自由な生き方探し。

音楽 ― プレスリーの『ハートブレイク・ホテル』


基音とその倍音だけでできている音を楽音という。理論数学的な純粋さを要求水準にすれば、完全な楽音というものはありえない。現実的な意味では、歌声、管楽器、弦楽器の音は楽音といっていい。

一方、打楽器の音はさまざまな音が混じりあっていて、もっと複雑だ。打楽器には五線譜の上に音の高さを表すのが難しい楽器が多い。こういう音を噪音という。(騒音、ではないので注意。)

噪音は非常に厚い和音と同じようにバランスに貢献するので、噪音を多く取り入れることで、音楽は面倒な進行のルールから全面的に解放される。ドラムのおかげで、ピアノやベースなどの楽音楽器をより自由に使えるようになる。

『ハートブレイク・ホテル』はもちろんどこかで聴いたころのある曲だったが、今回はちゃんと聴いてみた。

静かだ……現在のロックと聴き比べると、とにかく静かなことが目立つ。

コード進行が薄い。全体の音量が小さいところでは、ヴォーカルとベースだけが鳴っている個所も多い。ヴォーカルの魅力を生かすために、対位法的な束縛が厳しい展開を、編曲者はあえて選んでいるようだ。

ドラムの音もつぶやくようで、主張しすぎない。しかし、ヴォーカルは重要だ。特に音量が大きくなるところでピアノと一緒に鳴り、ドラムはヴォーカルとピアノを爆発的に解放にする。

『ハートブレイク・ホテル』の約2分間の比較的静かな演奏の中に、束縛と解放が目まぐるしく交差しながら展開する。この2分間はロックの縮図であり、人類の歴史の縮図でもある。

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