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衆院選2009 ― 自民党マニフェスト原案について


なかなか最終版がでてこないので、焦れてしまいました。原案でも読んでみることにします。


http://sankei.jp.msn.com/politics
/election/090730/elc0907300131001-n1.htm
より引用
救急医療や産科・小児科・へき地医療の担い手の勤務医を確保する。診療報酬は、救急や産科を始めとする地域医療確保のため、来年度プラス改定を行う。

悪くはありませんね、このプラス改定は。しかし、根本的な問題の解決は難しくありましょう。足りない診療科目については、動的に診療報酬が上がっていく仕組みを作らなければ、不足は解消されません。


引用
就学援助制度や新たな給付型奨学金を創設。

給付型奨学金については賛成します。経済は長らく不調なので、卒業できても就職がうまくいくとは限りませんから。


引用
介護報酬の3%アップ、介護事業主に職員一人あたり給料月額1・5万円引き上げ相当額を助成する。

たった3%ではダメでしょう。そんなことでは、介護の仕事から人材流出は今後も続くと思います。


引用
日本型ワークシェアリングを強力に進める。今後3年間でおおむね200万人の雇用確保を目指し、医療、介護、保育、環境などの成長分野で雇用を創出する。

ワークシェアリングには賛成ですが、「日本型」ってのはなんでしょうか?

西ヨーロッパ先進諸国には及ばなくても、「日本型」で正当化するつもりなんでしょうか?

「日本型」なんてつけないほうが恰好が良かったと思います。


引用
3年間で100万人の職業訓練を実施する。
70歳はつらつ現役プランを構築し、50歳から定年後の教育訓練、就労希望の高齢者の知識、技能を登録するシニア・エキスパート・データベースを構築。

このあたりには、自民党だけではなく、日本の政治全体の時代遅れな発想が反映されています。100万人の職業訓練は大いに結構ですが、それでも就労につながらなければ役には立ちません。

失業のかなりの部分は、労働者本人の責任と能力の範疇を超えたところにある原因、例えば、金融危機や景気低迷にありますから、どう頑張ってもある程度の数の人々は失業します。そういう人々の生活を支えていくには、基礎所得制度や負の所得税制度が必要です。

現行の制度では、生活保護を受けるには、就労努力の結果が実らなかったことを証明せねばなりません。就労努力にはコストが必要であり、そのコストを支払えない人が生活保護を受けるのは難しい。必要な制度は、今そこにいる所得のない人を漏れなく救える制度です。


引用
歴史・文化伝統を重んじる教育の実践。

もちろん、伝統偏重教育に私は反対します。グローバル化が進み、変化の激しい現在においては、過去の世代の経験は未来に待ち受ける問題への対処に余り役には立ちません。伝統重視の自民党政治が機能不全に陥っているのは、そういう一般的な真理の具現にほかなりません。

これからの世代に必要なのは、充実した普遍的能力と可能な限り無偏向な発想傾向です。例えば、数学や物理学の教育に力を入れるのは有益ですが、愛国心教育などは有害です。愛社精神の強すぎる社員ばかり揃っている会社は大きく躓きます。愛国心の強すぎる国民ばかりの国でも同じでしょう。国の欠陥に気がつくためには、かなり冷静な心性が必要です。


引用
来年度後半には年率2%の経済成長を実現、10年で家庭(世帯)の手取りを100万円増やし世界トップクラスに引き上げることを目指す。
太陽光発電を抜本的に拡大し、平成32年(2020年)に20倍、同42年(2030年)に40倍にすることを目標とし、太陽光世界一の座を獲得する。

こういうのはマニフェストではありません。

年率2%の経済成長や太陽光発電世界一を実現するために、政権が何をやるつもりなんでしょうか?


引用
中小企業向け官公需契約目標額を昨年度実績から1兆円以上増額した約5兆1993億円とする。

目標の設定だけならば、誰にでもできます。

必要なのは、ありとあらゆる官公需契約を一般競争入札を経たものにすることでしょう。


引用
来年度後半には年率2%の経済成長を実現、10年で家庭(世帯)の手取りを100万円増やし世界トップクラスに引き上げることを目指す。
太陽光発電を抜本的に拡大し、平成32年(2020年)に20倍、同42年(2030年)に40倍にすることを目標とし、太陽光世界一の座を獲得する。

これらにも具体案は何もありません。

本当に太陽光発電世界一の座を目指すのであれば、電力会社に太陽光発電による電力の買い取り義務を課すしかありません。


引用
経済危機を乗り切るため、この3年間は積極的な財政出動を行い、社会資本の前倒し整備を進める。空港・港湾や高速道路などの基幹ネットワークを整備する。

そんなのやっても駄目です。

日本経済に構造的な問題の1つは、多すぎる土木業者です。土木業者を救うために税金をつぎ込めば、構造的な問題は克服されずに残ってしまいます。必要なのは、税金のもっと社会福祉につぎ込み、土木業のような肥大化した産業の敗者に業種転換をさせることです。

土木産業全体の縮小が実現しなければ、今後も変わらずに無駄な税金をつぎ込み続けることになるでしょう。


引用
日米同盟関係を強化。米軍再編を着実に実施、沖縄をはじめとする地元の負担を軽減する。

日米同盟関係を強化することと、基地を抱える地元の負担を軽減することは矛盾しています。

また、長い目で見れば、日米同盟関係はむしろ縮小しなければなりません。アメリカの経済力は世界の中で相対的に縮小していますので、軍事力もまた相対的に縮小するでしょう。日本の今後の安全保障には、二国間同盟だけではなく、多国間同盟が必要です。

アメリカと日本、アメリカと韓国は同盟関係にありますから、まずは手始めとして、日本と韓国の間に同盟関係を構築し、北朝鮮と韓国の間の溝を広げるのが良くありましょう。


引用
公務員は連続3年間「不良」の場合は分限免職処分とする。ヤミ専従や違法な政治活動などの不正をした公務員と上司、見逃していた周辺を処分する。

これはとても良い提案です。仮に民主党が政権を獲得しても、この部分については自民党のマニフェスト原案を実行して欲しくあります。


引用
引退する議員の配偶者および3親等内の親族が同一選挙区で立候補する場合は、次々回の衆院選から公認・推薦せず、世襲候補を制限する。
引退する議員の後継者は資金管理団体への政治資金の継承を禁止する。

これは意味がよくわからない。「次々回」の衆院選から公認・推薦しないのであれば、「次回」までは公認・推薦することになるのでしょうか?

つまり、世襲後最初の選挙までは自民党が支援するのでしょうか?

それならば、この部分は全くマニフェストになっていません。マニフェストでは今回の選挙とその次の選挙の間に行う項目を提示しなければなりません。

政治資金の継承禁止には大いに賛成します。政治資金は個人の財産ではありませんから、相続されるべきではありません。

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