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Chaotic Neutral

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土風火水サイクル


世界大恐慌を振り返ってみよう。株価は約1/10になった。

当時、7割を国債に、3割を株に投資するファンドが存在したとすると、株での損益は金融資産全体に対して-27%であったことになる。一方、国債の金利は+6.5%ほどであったので、税引き後でも+5.0%は毎年確実に取れたことになる。

つまり、株で損失した分をこのファンドが取り戻すのに、約7年しかかからなかっただろう。

このように、国債と株に分散する投資を「水型投資」または「水」と呼ぶことにしよう。

大恐慌から1953年までのぐずついた時期に、ベンジャミン・グレアムらによって、業務内容が分かりやすい割安優良株を拾う投資法が大きく進歩した。彼らは1954年のコンピューター量産化以降、莫大な利益を手にすることとなった。

分かりやすい割安優良株を拾う投資を「土」と呼ぶことにしよう。

1960年代の終わりごろ、基調に乗り、空買いも空売りも行い、どのような状況でも絶対的利益を出すことを追求するヘッジファンドの台頭が始まった。彼らは、1980年代のアメリカの長期低迷を生き延びた。

基調に乗る投機売買を、「風」と呼ぶことにしよう。

1990年代、「IT革命」――というのは、実際にはその時には起こらなかったが――の名のもとに、多くの新しい会社がアメリカを代表する会社に成長た。アメリカの時価総額上位100社のうち50社以上がヴェンチャービジネスという時代に、新興産業に集中投資して、莫大な利益を手にする人々が現れた。

新興産業への集中的な投資を、「火」と呼ぶことにしよう。

「火」の投資に陰りが見え始めると、「火」の投資家の多くがなぜだか不動産を買う。2003~2006年のアメリカだけではなく、1990~1992年の日本でもそうだった。

もしも、「火」の成功者の全員が賢しく「水」に切り替えるならば、問題は深刻化しないはずだが、株で100倍、1000倍に投資額を膨らませた経験から程ない人々にとって、年利で+5~7%の国債に運用資金の70%を回すのはあまりにつまらないことに思えるだろう。だから、危険でも利回りの良い不動産を買ってしまう。

こうして商人の主役はまた「水」に戻る。

主役が「火」から「水」に交代する期間に、従業員が会社を激安値で買収する絶好の機会が訪れるのだが……残念ながらやりたがらない。

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