投資理論 ― 火の投資
これらの条件をすべてを満たす会社はほとんどないが、できるだけ多くを満たす会社に、極長期で投資したい。
これらの条件をすべて満たす会社は、市場全体の株価下落に際しても、被る影響は軽微であり、株主利益の追求の優先度は低いにもかかわらず、平均的な会社の15倍ほどの収益を株主にもたらすと思われる。
- 会社の存続が株主の収益よりも優先されている。
株主の収益を最優先する会社は、多くの株主に大きな収益をもたらすほど成長する前に、社会から退場してしまう。
- 経営最高責任者は会社内部から起用された人である。
- 経営最高責任者はその地位を最初は望まなかった人である。
経営最高責任者を外部から起用しなければならない会社は、内部での不具合を自ら修正できなかった会社である。
経営最高責任者が目立つ会社は、大きく成長しないか、あるいは、大きな失敗をする危険性が大きい。
経営最高責任者が自らの意思決定や判断を労働として大きく投下しなければならない会社は、組織としてどこかに不具合があるかもしれない。
- 意思決定が遅い。
平凡な会社が競争の中で生き残るためには、会社の意思決定が速くある必要がある。しかし、独走中の会社は、意思決定が遅くても生き残る。意思決定が遅くても生き残っている会社であれば、独走中であることは間違いない。
理想をいえば、経営者が株主に対して、憚りなく「我が社の意思決定は遅い」といえるくらいがいい。こういう会社は、経営者と従業員の間の所得格差も小さくなります。
- 再建当初あるいは設立当初、事業の将来像について、株主も経営者も従業員も明確な考えを持っていなかった。
- 再建当初あるいは設立当初の製品とは別の製品でも、成功を収めている。
会社の長期的な成功は、株主、経営陣、従業員のすべてをひっくるめて組織としての成功である。一方、ある時期の経営者の誰かの素晴らしい案で想定外に成功することで、かえって組織としての発展が妨げられることが少なくない。
組織として質の高い会社は、当然、当初の製品とは別の製品でも成功する。
- 複数の大手から注文を受けてきた。
複数の大手から注文を受けている会社は、経営の独立性が高い。他の会社の子会社であれば、親会社の都合により、芳しくない条件での仕事を強いられるし、たった1つの大手からの注文に応えている会社は、結局、下請けをこなしているにすぎないため、子会社でなくても、経営の独立性は低い。
優れた技術を有し、組織としても完成度の高い会社は、資本のより大きな会社のいいなりにはならない。
- 自社の製品が何に使われるのか知らなかったことがある。
これは、会社の従業員の技術力が非常に高いため、営業努力をほとんどあるいは全く必要とせずに売れていく製品があるということを意味する。
- 取引所への上場を強く意識してこなかった。
- 取引所へ上場されたとき、既に何らかの分野で占有率が世界第1位である。
技術力と組織としての質が高い会社は、上場を急がない。
競争を避け、独走中であり、上場を急がなかった会社は、結果として、上場時に世界第1位になることがある。
- 事業モデルが単純である。
- 社内で報告を重視するが、連絡と相談の徹底をあまり強く求めない。
経営者が凡庸でも成功できる会社は、天才的な経営者を必要とする会社よりも成功する。
平凡な会社で、上司が部下に連絡をしつこく求めるのは、部下を信頼できないから。
平凡な会社で、部下が上司にやたらと相談するのは、部下が問題を解決できないから。
