「従業員」の定義は、社会保険行政、金融行政、地方行政でそれぞれ異なっている。
社会保険行政では、おおむね、週30時間以上働いていて、契約期間が半年を超えていれば、従業員として扱われ、被保険者となる。ただし、この決まりごとはあまり厳格ではないので、「非正規雇用者は、従業員やないのや」という誤解をする人もいる。資料は
http://www.sia.go.jp/infom/text/kenpo04.pdf
あたりがある。
金融行政においては、週あたりの労働時間ではなく、契約期間の長さで区切る。長期契約ならば、非正規でも従業員として扱われる。有価証券報告書での従業員数に平均年収を掛けると、来期の固定人件費が算出できるようになっている。会社法の第24条と関連内閣府令を全部読むのは時間がかかるので、資料には、東洋経済新報社が四半期ごとに出している『会社四季報』あたりがいいと思う。
地方行政では、非正規は端数で扱われる。1号と3号の事業者の場合、正規については1人を1と数え、非正規については、1ヵ月の総労働時間を160時間で割ったものとなる。1ヵ月の総労働時間が40時間の非正規は、0.25人の従業員となる。2号事業者の従業員については、週20時間未満の従業員を除外して計算することになっている。つくば市の資料
http://www.tsukubacity.jp/download/pdf/alt_02.pdf
がウェブ上に見つかった。
残ったのは医療機関の職員だが、そこではなぜだか金融行政の定義に近い裏定義が使われることがあって、特に田舎では表向きの資料と実態が大きく異なっている。週2時間でも正規として扱われている人もいる。厚生労働省も知らないのではないのだろうが、これについてやかましく口を挟むと、田舎の入院病棟を多数閉鎖しなければならなくなり、そこでの医療が破綻するから、何もいわないんだろうねぇ。
地方行政における「従業員」定義が世界的に見れば先進的だ。この定義を使わなければ、ワークシェアリングの拡大が今後進んだ場合に、定義と実情が大きくずれてしまう。