「労働力」と「労働」
リカードの定義を使うと、価値に反映されているのは、「支配された労働」ではなく、「投下された労働」です。マルクスの定義を使うと、何人の「労働力」を使ったのかではなく、その労働力から引き出した「労働」が価値に反映されるのです。
ゆえに、100人の労働者で作った農作物と、トラクターと10人の労働者で作った農作物が同じ価値を持つということは当然あり得ます。価値に反映されるのは労働力ではなく、労働であるからです。
ダメなデザイナー100人の妥協点としてのバッグよりも、優れたデザイナーが1人で考え出したバッグの方が、大きな価値を持つかもしれません。
つまり、マルクスは最初から市場で需要のある財を作ることを意識していたことになります。もしそうでなかったとしたら、労働力と労働を分ける必要性もなかったでしょうし、計画経済を考えることもなかったでしょう。
