「サブプライムローン」というのは低所得者向けの住宅ローンのことじゃなくて、ある基準を上回る危険性と不確実性を伴うローン全般の分類名である。
基本的に、ローンの金利が経済の名目成長率を超えていれば、巡り巡ってどこかでローンは焦げつく。低所得者向けの住宅ローンはつねづね一部が焦げ付いていたので、サブプライムローンだった。
要するに、もともとやばいローンだった。そのやばさが表面化しなかったのは、ゆとり返済的な金利支払いの先送りと住宅価格を高騰させてきた不動産バブルゆえのことだった。
アメリカの現時点でのサブプライムローンの総額は日本円で1200兆ほどにもなる。名目成長が鈍化すればサブプライムローンの支払い延滞率や焦げ付き率はさら上がり、さらにサブプライム化するローンも増える。
ヘッジファンド等のサブプライムローン投資は大きな問題ではない。ローンが焦げ付くかどうかを左右するのは、ローンへ投資した者の財務内容ではなく、ローンの借り手の支払い能力だ。
バーナンキはサブプライムローンの焦げ付きが全体の0.8%くらいだという旨の楽観的な意見を述べたが、心中はそう穏やかであるはずがない。借り手がローン返済に不安を覚えれば、住宅投げ売りが加速する。住宅価格が暴落すれば、住宅を手放しても、ローンの支払いには延滞と焦げ付きが発生し、それが全国規模化するだろう。
ローンの証券がが進んでいる現在の経済では、支払い延滞と焦げ付きの影響はアメリカ国内に限定されず、ヨーロッパにも深刻な影響を与えるはずだ。