search this site:

Chaotic Neutral

左にも右にもよらず、自由な生き方探し。

お金 ― II


資本家が労働者を雇い、自動者が生産され、労働者が自動車を買ったとする。お金は、資本家 → 労働者 → 資本家という形で動いたことになる。

このサイクルでは、通貨の総額についてはゼロサムだが、労働者の生活は支えられ、自動者が生産されている。

お金は人と人を結びつけ、何かを生産さしめる。生産の積み重ねが、人類の文明だ。通貨でゼロサムでも、経済でゼロサムではないのだ。

一般論として、お金がうまく流れるほど、生産もうまく行く。

アメリカの共和党の保守層は、所得税フラット17%を主張している。所得の額、個人法人を問わず、税率を17%にせよという主張だ。

これでうまく行くのかどうかといえば、うまく行かない。

絶対の原則は、個人所得税率よりも、法人事業税率を低く設定することだ。高額所得労働者が高い税率にうんざりしなければ、起業への動機が強まらない。起業し、他の労働者の生活を支える役割を果たして行くことを決めた人はそれなりに報われるべきだ。

成功した労働者が実業家になり、他の労働者を支えるように、成功した実業家は投資家になり、他の実業家を支える。そしてここにも税制上の調整が必要で、そのため、投資収益への課税率は、法人事業税率より低く設定されるべきだ。

さて、投資家Aが100万円で株を買い、それを投資家Bに200万円で売ったとしたら、株を発行した企業に何らかの恩恵があるだろうか? 実は、企業が追加出資を受けないかぎり、直接的な恩恵はゼロだ。企業が最初に市場から調達したお金の額は、株価の上昇で増えたりはしない。

多くの投資家は安全な株を好むので、経済がうまくいっていないときに、投資家は新しい企業の新株を引き受けたがらないが、企業が本当に資金を必要とするのはそういうときだ。

新株への投資からの利益に対して、課税率をゼロにすれば、新たに起業し、労働者の生活を背負う起業家にとっては大きな福音となる。

以上をまとめ、現在の日本の税制の欠陥を補完すると、

  • 個人所得税率 累進最高50%、負の所得税制度つき
  • 法人事業税率 フラット40%、損失繰越あり
  • 一般投資税率 フラット20%、損失繰越、損益相殺あり
  • 新株投資税率 フラット0%

となる。

投資理論 ― 長期投資について


本来の意味でのあらゆる投資はすべからく人物への投資である。

投機的な短期売買は、ギャンブルに限りなく近い、心理ゲームだ。私がそれを勧めないのは、倫理観もさることながら、凡人がその種の投機的な売買で勝ちつづけられる見込みがほとんどないからだ。市場にはそのほとんど不可能に近い難しい離れ業をやってのけた天才たちがたくさんいる。彼らと一般人とでは、勝負にならない。

私も株の投機はやらない。穀物や貴金属などの先物取引は、個人で営む保険業のようなもので、現物株の投機とはやや性格が異る。

最後に頼りになるのは、やはり、人!

日本経済は2003年ごろまでデフレ、デフレと泣き声を上げていたが、一方で日銀による国債の引き受け、つまり、通貨価値削りが、1.5兆円/月の速度で行われている。一般政府債務が約1000兆円だから、庶民の現金の価値の少なくとも7割程度はいずれ巻き上げられる。

金地金などの購入による対策には限界がある。金地金は、自分たちの日常生活にどうしても必要なものではない。金地金を買うよりも、歯ブラシを作っている会社の株を買うほうが、激しいインフレに対する備えとして優れていると私は思う。

ところで、«リスク時代の「資産倍増」勉強法»という本がある。著者はジョージ・ソロスの元アドバイザーであり、モルガンの元東京支店長でもある藤巻健史氏。地味な本で、書店に並んぶと第一印象は今一つですが、とても優れた書籍だ。この本に、"長期の資産運用においてはチャートは基本的に無意味である"という言葉がある。

ギャンブルではなく、しっかりと着実に資産運用を行いたいならば、まずは、ロウソク足チャートなどを捨てることだ。

権利について ― V


意思説における権利はオプションだ。使うか使わないか、それは個人が決めること。

権利ってお金と似ている。権利もお金も、持っていることそのものに、かなりの意味がある。

世の中のたいていの人は、お金がそれほど好きではない。彼らはお金で買えるものを好む。

国籍離脱権の話を聞くとすぐに、"それだけ日本がイヤなら、憲法22条に従って、国籍を離脱したらいいのに"という人は、"お金がそれほどあるなら家を買えばいいのに"という人に似ている。

ところで、私には、国籍離脱権以外にいろいろな権利がある。順序としては、まず、それらの権利を使って自分の生活、社会、国家体制を自分の理想に近づけるように努力するべきだ。

いいかえれば、権利を行使して、さらに大きな権利を手に入れようと努力すべきだ。

お金に喩えるならば、お金を投資し、さらに大きなお金を手に入れようとすることに似ている。

しかし、神ならざる私は全能ではないから、権利も取引口座も小さくなる可能性がある。

投資対象の状態が悪化し、損切りが必要になることもある。損切りをすれば、取引口座の消滅を免れる。同じように、体制が個人の権利を急激に縮小しようとすれば、個人は国家体制について"損切り"をする必要がある。それが国籍離脱。

お金 ― I


紙に山勘で1万円札とできるだけ大きさが近い長方形を書こうと試みた。我ながら、ほぼぴったりで驚いている。

長方形が実際の1万円札よりも大きければ大きいほど、あなたはお金に振り回されている。逆に小さければ小さいほど、あなたはお金の力をなめていて、これも良くない。

ホリエモンの"人の心はお金で買える"という発言にむかっ腹を立てている人の心は、多分、本当にお金で買えると思う。ホリエモンに心を見透かされたから、腹を立てているんだろう。

さて、お金で買えないものといえば、愛はお金では買えない。出会い、セックス、結婚はお金で買えるんだが、愛はそうじゃない。だって、HPAタンパク質のパターンが男女間の愛を決める主要因で、収容所の一文無しの囚人とお金持ちの令嬢とだって、愛は生じる。

お金でたいていのものは買えるけれど、買えないものもある。

お金を蓄えるということは、自由を蓄えるということだ。自由主義者はお金が大好きだ。もうほとんどお金主義者といっていい。私も例外じゃない。

でも、お金でうまく蓄えられない種類の自由もある。若さに伴う自由は、お金でうまく蓄えられない。お金で蓄えやすい不揮発性の自由と、お金ではうまく蓄えられない揮発性の自由がある。

労働者は自分の揮発性の自由を売って、不揮発性の自由しかうまく蓄えられないお金に換える。これって結構辛い現実だ。そしてそれにみんな気がついた。だから、社会運動は人々が労働者以外の何かになれる希望をちらつかせないとうまく行かない。

ホリエモンが英傑なのは、まさに、その希望を示したからだ。

投資理論 ― ライブドア事件の教訓、あるいは投資の常識論


極平凡な投資家でも、ライブドア株を握ったままという愚を避けることができたはずだ。

配当がない

設立から9年、利益たんまり、でも配当がない。ぁゃιぃ

資産が回転していない

総資産が3302億3900万円、でも、売上がたったの784億2100万円。資産を活用できていないっぽい。

調達はしたけれど、調達したものを大して増やしていない

株主から集めた資本金862億3900万円、それを増やした結果の株主資本1936億300万円。会社の年齢は9歳。

株主平均利益率 = 9193603 / 86239 - 1 = 約9.4%

この9.4%を長期金利1.45%で還元する。

9.4 / 1.45 = 約6.48

これに資産回転率を掛ける。

6.48 * 7842100 / 33023900 = 約1.54

これに株主資本を掛け、発行株式数で割る

1.54 * 1936億300万円 / 10億4942万0045 = 約284円

この284円というのが、ライブドア株の不祥事発覚前の見積もり価値。

284円を遥かに越える値段がついていたのは、将来への期待から。だから、ライブドアは決して赤字決算を出してはいけなかったんですねぇ。

edit

投資理論 ― 投資と投機


投資も投機も一般的には誤解されている。今回は、2つを箇条書き風に対比させることで、違いを語ってみる。

  • 取引市場において他の売買者を心理戦で出し抜いて利益をあげることを目的とするのは投機だ。
  • 他の人にお金を預けて増やしてもらうことを目的としているのが投資だ。

値動きの激しさとは関係がない。

トヨタもワコムも投資対象であるとともに投機対象でもある。また、巨額の投資資金が入っている銘柄には、当然、巨額の投機資金も入っている。だから、トヨタとワコムを比較して、どちらか一方がより投機的であるとはいえない。

  • 投資家は実体経済に良かれ悪しかれ大きな影響を与える。
  • 投機家は投資家が実体経済に与える影響を受け止める役割を果たす。

イラクの石油利権にこだわるのは投資家であり、投機家ではない。石油採掘業者に投資をしている投資家は、業者が利権を獲得できなければ利益を得ることができないが、投機家は数多くの市場に極めて短期間に資金を巡回させているため、ある企業やある銘柄に固執する理由がない。

  • 投資家には善人と悪人がる。
  • 投機家はどちらかといえば世捨て人だ。

気高い理想とか、悪辣な陰謀とか、そういうものを実現するには人間関係が必要だ。実際、投資家の大物はほとんどが経営者でもある。典型的な例としては、ビル・ゲイツやウォーレン・バフェットあたりだ。今日書店に立ち寄ったら、ブッシュ親子の投資法という題の本が並んでいた。そう、彼らも投資家だ。

一方、ほとんどの投機家は一匹狼だ。世にいうヘッジファンドも大部分が個人ファンドであり、法人ファンドではない。